2006年01月30日

バートルシャーグとセレレム

イーサン・ケイニンはおもしろいけど
主人公たちが好きにはなれず、小説としての技巧に「うまいな〜」と思いはしても
あまり読み返そうとは思いません。

でも「バートルシャーグとセレレム」だけは何度も何度も読み返す。

この作品は「ビューティフル・オハイオ」という題名で映画化されるそうです。

天才のお兄ちゃんクライヴ、普通に普通な弟ウィリアム。
兄弟のお父さんお母さん。
お兄ちゃんの「恋人」のサンドラ・ソレント、お兄ちゃんの親友のエリオット。

1973年。

お兄ちゃんとエリオットが
バートルシャーグ」「セレレム」って言葉を交わすシーンだけが
とにかくよい。

この瞬間についてふたりはどれだけ話し合ったのだろうか?とか、ね。
約束はあったのだろうか?とかね。
欺瞞には気づいていました。

主人公以外は好きになれる小説です。

「宮殿泥棒」 イーサン・ケイニン 文春文庫

Posted by asiz at 2006年01月30日 22:49
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